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「マグニチュード」と「震度」の違いとは?

 

マグニチュード_震度_違い①

 

突然ですが、皆さん「マグニチュード」と「震度」の違いってご存知ですか?地震大国に住む私たちにとっては、日々耳にする単語ではありますが、改めて聞かれると、正直、正しく答える自信がありません。

 

今回は、地震を知る上での基本中の基本「マグニチュード」と「震度」の違いについてご紹介していきたいと思います。

 

多くの大震災が起こった平成の時代

 

地震と共に生きていると言っても過言ではない、日本に住む私たち。平成を振り返ると、大震災が度々日本を襲い、多くの人々が甚大な被害にあいました。

 

ここで、また記憶に新しい平成時代に起こった大震災を振り返ってみましょう。

 

<平成に起こった大震災>

 

平成7年1月17日

阪神・淡路大震災 震度6 マグニチュード7.3


平成12年10月6日 

鳥取県西部地震 震度6強 マグニチュード7.3

 

平成20年6月14日

岩手・宮城内陸地 震度6強 マグニチュード7.2

 

平成23年3月11日 

東日本大震災 震度7 マグニチュード9.0


平成28年4月14日 

熊本地震 震度7 マグニチュード6.5

こうして改めて並べてみると、日本が地震大国であることを自覚せざるおえません。

 

実は、世界で起こるマグニチュード6以上の地震の約2割が日本付近で起こっているというデータもあります。では、なぜこれほどまでに日本で大きな地震が発生するのでしょうか。そのメカニズムを紐解いてみましょう。

 

 

日本で大きな地震が頻発する理由

 

マグニチュード_震度_違い②


地球の表面は、固い岩盤(プレート)に覆われていて、ゆっくりと変動しています。

 

日本は、北アメリカプレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピンプレートという4つのプレートの上に乗っています。そのため、海にあるプレートが陸のプレートにもぐり込んで起こる「海溝型地震」や、日本列島に約2000あると言われている活断層が上下や左右にずれて発生する「内陸型地震(または直下型地震とも言う)」など、地震が起こりやすい条件が重なっている国土なのです。私たちの記憶に新しい東日本大震災は前述の「海溝型地震に当てはまり、阪神・淡路大震災は「内陸型地震でした。

 

私たちは常に、大きな地震の危険性に晒されているかということがわかりますね。改めて、自分や家族の安全を守るためにどんなことができるのか…と、身の引き締まる思いがします。

 

 

地震の大きさを示すのが「マグニチュード」、私たちが感じる揺れの強さを示すのが「震度」

 

では、そろそろ本題に入っていきましょう。

 

日本で平成に起こった大きな地震を前述に並べましたが、まずはそれぞれの「マグニチュード」「震度」に注目してみてください。

 

マグニチュードが大きいからといって、それに比例するように震度が大きいわけではないということがわかると思います。それはなぜでしょう?下記で「マグニチュード」と「震度」が何を表しているのかを簡単にご説明します。

 

マグニチュード」とは、地震そのものの大きさ(規模)を表すものです。一方「震度」は、私たちが生活している場所での揺れの強さを表しています。

 

これを電球で例えるとわかりやすいので少し説明しますね。電球自体の明るさを表す値が「マグニチュード」、電球から離れた場所の明るさが「震度」と考えてもらうとわかりやすいかもしれません。

 

ですので、例えば、「マグニチュード」の数値が小さくても震源から距離が近いと地面の揺れが大きくなるため「震度」は大きくなり、逆に「マグニチュード」が大きな地震でも震源から距離が遠いと揺れは少ないので「震度」は小さくなります。

 

ですので、「マグニチュード」の数値が大きいから「震度」も大きいとは限らないのです。

 

マグニチュードの数値が1増えると、地震のエネルギーは32倍に

 

また、「マグニチュードと地震の大きさの関係は、以下で表すことができます。

 

<マグニチュード><地震の大きさ>
1以下極微小地震
1~3微小地震
3~5小地震
5~7中地震
7以上 大地震
8クラス 巨大地震


以上で表記したマグニチュードですが、数字が1増えると、地震のエネルギーは32倍になると言われています。値が2大きくなると約1000倍になるのです。

 

ですので、マグニチュード7の地震は、マグニチュード5の地震の1000個分のエネルギーを持つことになりますね。

 

「震度」表示は日本独自のもの

 

マグニチュード_震度_違い③


一方「震度」とは、先にも述べているように、私たちが生活している場所での揺れの大きさを表し、「震度0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7」の10段階に分けられた気象庁が定めた震度階級で表されています。

 

かつては体感や周囲の状況から震度を測定してましたが、平成8年の4月以降は、計測震度計により自動的に観測しています。

 

大きな地震が起こった時、テレビで気象庁が震度を発表しますが、それは気象庁・地方公共団体及び国立研究開発法人防災科学技術研究所が全国各地に設置した震度観測点で観測した震度です。

 

ちなみにこの「震度」表示は日本独自のもので、「マグニチュード」は世界共通です。ただし、計算式や地震観測網が違うため、異なるマグニチュードの値が計算されて、同じ地震でも数値が少し違っている場合もあるようです。

 

震度7以上はない理由


現在、地震の揺れの強さを表した中で最も階級の高い数値は「震度7」です。

 

これは「立っていることができず、何かにつかまっていないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある」とその時の状況を説明しています。

 

1948年に起こった福井地震を受け、地震の被害を当時の震度6では適切に表現できないという意見があり、1941年1月に「気象庁震度階」改訂により新たに「震度7」が設けられました。

 

その後、阪神・淡路大震災で初めて震度7が適用され、新潟県中越地震では地震計による観測で初めて震度7が観測され、以降、東日本大震災、熊本地震で相次いで震度7が観測されたのです。

 

震度7弱・7強という分割表示や、計測震度が7.5以上を震度8とすることも検討されましたが、震度7では最大級の防災対応が取られるため、防災上はあまり意味がないことや、計測震度7.0以上を観測した例がないためどのような被害が発生するか不明瞭であることから、導入は見送られました。

 

 

私たちが今からできる「防災」を見直してみよう

 

地震を知る上で知っておきたい「マグニチュード」と「震度」の違いをお分かりいただけましたでしょうか?合わせて、日本が地震大国である理由も少し理解いただけたのではないでしょうか。

 

知れば知るほど、いつか我が身に必ず降りかかってくる災害であるということを再認識します。防災グッズや家の耐震を再検討するなど、私たちができる「防災」を、改めて見直してみましょう。 

 

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