【cafe.e‐denn/由布市】心配だった耐震性を補強、名作の椅子が映える大人の空間に
カフェ店舗兼住宅 永田邸/湯布院町
(令和3年リフォーム施工・引き渡し)
店主・永田義則さん
リフォーム担当者
株式会社カワノ 会長 川野康雄(一般耐震技術認定者・宅地建物取引士・インテリアコーディネーターほか)
湯布院の街の賑わいからは少しはずれた、森の中にただずむ一軒のカフェ。長年親しまれていたカフェを譲り受け、リフォームして新たに『cafe.e‐denn (エーデン)』として生まれ変わりました。
憧れだった湯布院での再スタートを切った、永田さんご夫妻。落ち着いた大人の空間で飲むコーヒーは、また格別な味がします。
熊本地震で被害を受けた建物の耐震性に不安を感じ、リフォームを依頼。インテリアを含めた提案に「理想以上の仕上がりに大満足」と店主の永田さん。
北欧の椅子が大好きな永田さんと当社会長との、少しマニアックな対談となりました。
湯布院に移住されてきたんですね。このお店を買うことになったきっかけは?
永田さん:はい、私は大阪の尼崎からの移住です。サラリーマン時代は転勤族だったので日本各地を転々としていましたが、出身が福岡なので、バイクや山登りなど自然を楽しみに、若い頃から湯布院には度々訪れていました。
湯布院は好きな場所でもあるので、この地でお店をしたくて15年ぐらい前からずっと土地を探していたんです。
以前からあったこのお店には、客として20年ぐらい通っていたんですが、ある時、前オーナーがお店をやめるという話を聞いて「誰かに譲るんだろうな」と思ってたんです。
でも縁があって私にもお話しをいただき、お店を購入させていただくことになりました。
ここが売りに出てなかったら、まだ未だに普通にサラリーマンをしてるんじゃないかな…。これも縁ですね。
お店のリフォームをカワノにお願いすることになった経緯を教えてください。
永田さん:熊本地震の時、この一帯は大きな被害を受けました。実は私も地震当日に、たまたまこのお店の隣の宿泊施設に泊まっていて、揺れを実体験したので、なおさら耐震性に関しては不安がありました。
物件を購入する前にインスペクション(住宅診断)を受けましたが、結果は半壊扱いで、震度5弱で潰れるという診断でした。
そこで、耐震に問題のある物件のリフォームができる業者さんをネットで探してた時に、カワノさんが一番上に出てきたんです。[地震 リフォーム 大分]というワードを検索したら、カワノさんが検索に引っかかって。
それでメールフォームで問い合わせをしたら、すぐにお返事をいただいて打ち合わせをすることに。それが、昨年4月の終わりぐらいですね。それがきっかけです。
業者に7社に依頼した中で、最終的にカワノさんともう1社が残りました。カワノさんは、店舗のリフォームのノウハウもお持ちということと、耐震工事に関してもとても信頼できるという印象が残ったので、カワノさんにお願いしようということになりました。
どんなリフォームを行いましたか?
川野:耐震補強をベースに、断熱強化と、内装を綺麗にし、店舗の家具やくつろぎ方に合わせたイメージ作り(家具配置を含んだ内装づくりインテリアの提案)をさせてもらいながらリフォームを行いました。ここは冬とても寒いので、以前に比べて飛躍的に暖かくなっていると思います。
耐震を強化するためにどんなことを行ったんですか?
川野:インスペクションの診断に基づいて、再計算して耐震補強を行いました。耐震ボードを使ったり、壁を増やし、日本建築防災協会の認定工法の施工を行いました。
一番最初の打ち合わせでは、どんな要望を伝えましたか?
永田さん:やはり、耐震補強はまずお願いしたい一番のポイントでした。あと、私はこれまで北欧の椅子やインテリアが好きで集めていたんですが、それらをお店で生かしたかったので、店舗のインテリアを含め提案してくれるカワノさんに信頼を置きました。
インテリアの知識がある業者さんは、他はほぼいらっしゃらなかったんです。打ち合わせの際、会長とインテリアの話で盛り上がり、フィーリングの良さも感じました。
川野:色々と相当詳しいから、僕もびっくりしたんですよ!お店の照明も、新しくルイスポールセン(デンマークの名作照明)を入れましたしね。夜はとても綺麗ですよ。
カワノがインテリアにも強いという部分も、選んだ決め手になりましたか?
永田さん:はい、そうですね!
お願いするまで、カワノさんがインテリアの分野も手がけていることは知らなかったんです。打ち合わせの際、カワノさんの事務所におじゃました時に、店舗にPH5(ルイスポールセンのペンダントトップ)があったのでびっくりして(笑)
川野:僕もこちらに打ち合わせにおじゃました時にびっくりしましたよ。
Yチェア(椅子の巨匠・ハンスJ.ウェグナーの代表作。北欧モダンの名作として世界中に愛されてきた椅子)とかセブンチェア(デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの代表作の椅子)、フィリップスタルク(フランスの建築家・デザイナーで現代を代表するデザイナーの一人)の照明とかもあって、北欧のインテリアが好きな方なんだと。それで話が盛り上がりましたね。
永田さん:オーディオ好きな人が来るお店だから、少し間口を広げた雰囲気になったと思いますね。僕はオーディオよりも椅子が好きなので(笑)
お店は今年の4月末にオープンしたんですね。住み心地、お店の雰囲気、共にいかがですか?
永田さん:快適ですね。店舗部分も、きっといいのができるなと思ってましたけど、その上をいった感じがします。とても満足しています。
2階の住居部分も、間取りが良くて使い勝手もいいですね。
気に入りの場所は?
永田さん:やっぱり1階店舗の全景ですかね。以前のお店がオーディオを売りにしていたので、音響にこだわってデザインされたコンクリート打ちっ放しの壁や、斜めの天井、譲り受けた貴重なオーディオなどを生かしつつ、雰囲気はガラッと変わったので本当に満足しています。
集めてきた椅子の配置も含め、それらがこのお店に映える提案をしていただきました。
川野:以前のお店も暖かい雰囲気でしたが、より洗練された大人の空間になったと思います。スピーカーなどもインテリアの一部として雰囲気も出ていますしね。
補助金も利用されたそうですが
川野:次世代省エネ建材使用で、100万円弱の補助金を利用しました。もともと冬はとても寒い地域だとお聞きしていたので、窓・床・壁などを中心に断熱にも力を入れました。
永田さん:もう申請も終わり、補助金が振り込まれましたよ。
実は事前に、リフォームの補助金制度があることは知らなかったんです。業者さんの中でカワノさんだけが補助金の提案をしてくれましたね。断熱性能を上げたい気持ちもあったので、同じ工事をするにも補助金を受けられるか受けられないかでは、大きく違いますよね。本当にありがたかったです。
川野:雨漏りもひどかったので屋根に水を流して調査し、その補修もしました。屋根がコケ蒸してたので、それを剥がす作業から行いました。
永田さん:大きな木が屋根に覆いかぶさっていたのでそれを伐採したら、雨が直接屋根に当たるようになって。それで一層雨漏りがひどくなってしまったんです。長い目で見て、最終的にはガルバリウムを全面に貼って修復しました。
カワノにお願いしてよかったなと思う点は?
永田さん:一番良かったのは、会長と話が合ったところですね(笑)
川野:ほんと、そうですね。打ち合わせは横に置いといて…、違う話で盛り上がったりましたね(笑)
永田さん:美味しいイタリアンのお店情報とか、打ち合わせに関係なくいろんな情報交換してましたね。だから打ち合わせの時間が楽しくて、ついつい長くなってしまいました(笑)。
インテリア含め耐震の分野も詳しく、最後まで安心してお任せできて、理想のお店になりました。隣接する宿泊施設はまだ手付かずなので、ここのリフォームもカワノさんにお願いしたいと思っています。
cafe.e‐denn (エーデン)
https://www.instagram.com/cafe.e_denn/
〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北918−32
定休日: 水曜日